《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
 アキは半狂乱になりながら地団駄を踏み、歩き回る。

マキはいつしか大粒の涙をこぼしながら姉を見守っていた。


「お姉ちゃんはそれからもずっと私を守ってくれていた。こんな私をずっと愛してくれていたのぉっ!」


 号泣し、テディベアにすがるマキ。


「食卓に私の分のご飯が無かったわ? でも私はお腹が空いてなかったからそれでもいいと思ってたの……」


 アキはまた思い付いて言った。


「人混みでマキと並んで歩いていても、誰も私にぶつからないの。私の運動神経がいい所為だと思っていたわ?」


 そして合点がいったのか、頷きながら続けた。


「そしてマキ以外、私と話をしてくれなくなった! そのマキでさえ、話が噛み合わないことが増えた」


「私はお姉ちゃんの唇を見ていたの。お姉ちゃんの声は、現世では聞こえないのよ」


「でも今は聞こえているじゃない。私が霊じゃないからでしょ? そうに決まってるわ。ね? 霊媒師さん」


 アキは作り笑顔で確認するが、目を瞑って首を横に振り、咲邪は言い切った。


「いいえ。貴女は霊だからこそテディベアに憑依出来るの。貴女は生きていないから、私が熊に降霊したのよ」


「私は違和感に気付かない振りをしていた。気付いてしまったらイケナイ気がして、そのことから目を逸らしていたんだわ……」


 言い終わるとアキは大声で泣き、膝から崩れ落ちた。


「私だって辛かったの。常に皆から完璧を求められて、いつもプレッシャーを感じていたわ?」


「でもお姉ちゃんはちゃんと完璧に出来ていたわ? 大丈夫よ!」


「色の白い、細くて可愛いマキが羨ましかった! 私なんか運動のし過ぎで筋肉ばかり。日焼けの跡も消える暇が無かったもの!」


< 48 / 127 >

この作品をシェア

pagetop