スイート・プロポーズ

聞こえるかどうか分からないが、お礼を口にして、小さく頭を下げる。


円花は滑らないよう気をつけ、自宅マンションへと向かった。





―――・・・・・・。

休日も、相変わらずの雨だった。

円花はサイドテーブルの時計に手を伸ばし、時間を確認する。


「9時半・・・・・・」


窓の外、耳を澄ませば雨の音。

若干の蒸し暑さを感じるが、二度寝できないわけじゃない。


(・・・・・・もうすぐ、誕生日)


年を取るのが嫌だとか、プレゼントは何だろうとかよりも、遥かに頭を占めているコトがある。

告白の返事―――。


「うぅ・・・・・・」


枕を抱きしめ、小さく唸る。

自分の中で、ある程度答えは決まっている、と思う。


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