スイート・プロポーズ
車がゆっくりと速度を落とす。
もう自宅マンション近くだ。
「出張に行く前に、返事を聞きたい」
「・・・・・・はい」
真剣な面持ちで、夏目は円花を見つめている。
夏目は急かすつもりはない、と以前から言っていた。
けれど、先延ばしにするつもりはないのだ。
いずれは、答えを出さなくてはならない問題。
円花は頷き、傘を手に取る。
「えっと、出張の前・・・・・・七夕に、返事を」
「わかった」
誕生日に告白の返事をするのが良いか悪いかは分からないが、言ってしまったのだから、仕方ない。
円花は車を降りて、素早く傘を広げる。
雨は強くて、まだ歩いてもいないのに足元が濡れてしまう。
「ありがとうございました」