スイート・プロポーズ

(何て言うか・・・・・・)


気恥ずかしい気分になる。

夏目は、史誓を悪友と呼んでいた。

それだけ仲が良いと円花は解釈したのだが、史誓は少しばかり、何を考えているのか分からない所があるような気がする。


特に話したこともないのに。


「・・・・・・部長とは、長いんですか? その、付き合いといいますか」

「まぁ、お互いの失敗談を語れるくらいには長いな」


史誓は思い出し笑いをして、円花に意味ありげに笑う。


「あいつってさ、本気な相手ほど、妙に慎重になるんだよな。弱気になる、って言うのかな?」

「? はぁ」


意味が分からないが、密室にふたりきり。

無視するわけにもいかない。


「俺が言いたいのは、優志をよろしく、ってコトだよ、小宮さん」


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