スイート・プロポーズ
先に戻った倉本を追うように、円花は空から視線を外して、歩き出した。
―――・・・・・・。
倉本は、お酒が入るとおしゃべりになる。
こっちが聞いてもいないのにベラベラと話し出すが、居心地が悪いわけじゃない。
「俺さぁ、ホントは広報部じゃなくて企画部とかに配属されたかったんだよなぁ」
唐揚げを箸で摘みながら、倉本は話しつづける。
「しかも、広報部部長が嫌味ったらしい奴で、余計に今の部署が嫌いだったね、当時は」
夏目が部長になる前―――前任の部長とは、一年程しか仕事をしていないが、確かに嫌味の多い人だった。
「でも、今も広報部にいるってことは、異動しなかったんですよね?」
ビールを飲み、円花は小皿に取ったポテトサラダを口に運ぶ。