スイート・プロポーズ
「いつかは、って思っていても、切り出すタイミングとか・・・・・・いろいろな」
困ったように笑う倉本に、円花は笑い返す。
こうして相手のことを真剣に思える倉本は、好感を持てる。
だからこそ、急な仕事を頼まれても、仕方ないと思えるのかもしれない。
「小宮は彼氏いない・・・・・・よな?」
「いませんけど・・・・・・」
「結構モテるだろ、お前。なんでいないんだ?」
不思議がる倉本に、円花は肩を落とす。
「面倒じゃないですか、恋愛って」
「お前、枯れてるなぁ」
哀れむような目をする倉本に、円花はおしぼりを投げつけようと構える。
「わ、悪いっ。・・・・・・けどさ、本気で誰かを好きになれば、面倒だから、とか関係なくなると思うぞ、俺は」