小さな光 ~月と太陽~

増える不安

「……ズ…アズ起きろ」


体を揺すられてあたしは重いまぶたを開けた。



「アズおはよう。
飯作ったから食うぞ」


「ん…目覚ましは?」


「鳴っていたけど?
気持ち良さそうに寝ていたから起こさなかったんだ」


「そっか…
ありがと」


「どういたしまして。
さっさと着替えて下おいで」



朝ご飯だけ…
2人で一緒に食べるのなんて。



「優しくされたって…」


あたしは藤が居なくなった部屋で呟いた。


リビングへ行くともう朝ご飯が用意されていた。



「あっ…タコさん」


「久しぶりだろ!
冷めないうちに食べるぞ」



お皿に乗っていたのは…


タコさんウインナー。


あたしが藤をまだ好きになる前に食べたタコさんウインナー。


……………懐かしい。


あの頃は楽しかったな…









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