小さな光 ~月と太陽~
藤が握っていた物は

『指輪』



「どうして、あたしなの?」


「はぁー
何回も俺に言わすな」


ちょっとため息をつきあたしを真っ直ぐみつめてきた。



「俺には背が少し小さくて料理が上手でさみしがり屋で…
暗いのが怖い

月岡 梓と明日も明後日もずっと一緒にいたいと思っている」



普段のあたしなら「さみしがり屋じゃないっ!」と言って反抗しているが
今は反抗する気にもならない。

ただあたしは驚いているだけ。



「別に“結婚”を意識した訳じゃない。
ただ梓と明日も明後日も一緒にいたいと思っただけ。
俺の“彼女”でいてくれるなら、貰って欲しい。

……………貰ってくれるか?」



そんなの


とっくに


―――――決まっている。



「…………はい」


あたしの返事を聞いた藤は嬉しそうに笑った。










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