小さな光 ~月と太陽~
「あの…電話でなくていいんですか?」


「イヤ、出るけど…」



そう言ってあたしの顔をチラッと見た。



「あたしの事は気にしないでください」


「悪いな」



ピッと通話ボタンを押して話し始めた。


あたしは如月さんが通話中に残っているアイスを食べる事にした。


冷たくておいしー♪



『僕は今日休みなんですけど…』

『その場所なら…』

『ですから…』



なんだかさっきから急がしそうだ。


もしかして仕事の電話かな?


せっかくのお休みなのに…



「あぁーもう、わかりましたよ。
行きますよ、行かせてもらいます!」



ピッと電話を切って少し不機嫌な如月さんが横に居る。


行くってどこに行くのかな?


やっぱりお仕事?



「アズ、ちょっとついてきてくれるか?」


「どこへ」


「まぁ来たらわかるよ」



あたしは残っているアイスを急いで食べて如月さんの後を追った。






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