ファーレス騎士団のゆるい日々
 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 あれから、三年。

「何を食ったらそんなにでかくなるんだろうな?」

 オーウェンは自分よりはるか上にあるエディの顔を見上げた。

「……さあな。それがわかれば皆に同じものを食べさせる。体格がいい方が有利だからな」

 オーウェンより頭の位置が高いエディは、自然にオーウェンを見下ろす形になる。それが気に入らないのか、オーウェンは少しでも背を高く見せようとこっそりかかとを浮かせてみる――周囲にはばればれなのではあるが。

「それはまあそうだろうな――飲みに行くか」

 何を食べればいいのかという考えを頭から追い払ったオーウェンは、エディを酒場へと誘う。エディは肩をすくめた。

「お前の奢りならいい」
「……ほどほどのとこにしといてくれ。お前一度飲み始めたら止まらないだろう」

 何を食えばそんなにでかくなるのだ、とはファーレス騎士団所属の騎士たち全員が考えていることだ。

 何しろエディは周囲の騎士たちより頭半分ほど大きいのだ。背が伸びただけではなく、それと共に身体のあちこち――特に胸回り――も立派になって今では若干目のやり場に困るほどだ。
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