彼女志願!2nd

メモを高いところに持ち上げて眺めている相瀬先生の周りで、ぴょんぴょんと跳ねまわったけれど、先生は返してくれない。


しかもかなりの棒読みで「俺、傷ついちゃったー」なんて言い始めるし。

誰が傷ついただー!
どう見たって、メモをニヤニヤしながら眺める先生は楽しそうだよ!

だけど人様の職場で自分の仕事をしてしまったのは私なわけで……うう……。



「お願いですから、返してください……」



完全に涙目の私を見て、先生はくすりと笑う。



「俺のこと、書きたくなった?」

「――」



否定できない。だって書きたくなったのは本当だから。



「すみません……」



しおれる私。



< 116 / 117 >

この作品をシェア

pagetop