陽だまりに猫
彼と彼女
——————…
「、」
閉じていた眸を開けて、いつもより
ゆっくりと瞬きをした。
“今”を見るために———…。
『ここ』は、あの場所じゃない。
夏と私がいた、あの場所じゃないの。
覚めない夢を願っても、いつかはきっと
覚めてしまう夢なのだから。
だから
「泣くのは…終わり…っ」
置いてきた気持ちを今さら手に取っても
それはもう、過去のものなのだ。