ガラスの靴をもう一度
夜風は暖かくて、夏がもうすぐやって来る気配を感じる。
崇史さんは、店から少し離れた公園へ私を連れてきた。
夜でも明かりに照らされた公園で、人通りも多い。
入口近くのベンチに私を座らせると、崇史さんも隣に座った。
「すいません…。何だか、迷惑かけちゃって」
「別にいいよ。あのまま川上と、出て行かれる方がマズイから」
崇史さんは、仕事から離れると、雅貴にも私にもタメ口をきく。
本当、仕事とプライベートを器用に分ける人だ。