ガラスの靴をもう一度
アメリカ留学の6年間の事は、詳しく聞いていない。
勉強の話だけは聞いたけれど、それ以外は…。
きっと、雅にぃには初めてじゃないよね?
何となく分かるよ…。
それでもいい。
私にとっては、初めてだから。
「変な声が出そう…」
そう言うと、雅にぃは吹き出した。
「何がおかしいの!?」
「ごめん、ごめん。可愛いなと思ったんだよ」
そう言うと、雅にぃは再びキスをした。
「声は出していいんだよ。むしろ聞きたいから」
そして雅にぃは、私の体に触れるその手に、力を入れたのだった。