ガラスの靴をもう一度


社歴の浅い私が出席出来るのは、雅貴の公私混同だと崇史さんは思っている。

まあ、本当のところは分からないけれど、仕事熱心さが買われていると周りは思ってるんだから、問題ないと思うのよね。

グレーのスーツをパシッと着こなし、テキパキと会議を進める雅貴に、改めて惚れ直しちゃう。

10人ほどしか入れない小さな会議室で、円を描く様に並んだ私たちは、雅貴に目を向けた。

「実は来週から、男性社員が一名異動してくる」

その言葉に、原田さんが耳打ちをした。

「うちの会社って、突然異動があるわよね」

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