Kiss Kiss Kiss
ガタン

夜も更けて大きな音がして飛び上がった。
真澄さんが言った言葉に
反応している。

「親父いる?」

司だった。

「ビックリした。朝陽さんはいないけど?」

「いつから?」

「もうずいぶん前だよ。
遅くなるって言ってたけど……。」


司はソファーに乱暴に腰かけた。

「どうしたの?なんか食べる?」

「クソ親父・・・・・」

「え?」

「いつまでナナを解放しないんだ!!!」

司は髪の毛をかきむしった。

「どうしたの?」

「俺は真剣なんだ!!!」

「何が?」

「おまえみたいな恋愛体験のない女に言ったとこで
何もはじまんねーけど
俺はナナを愛してんだ!!!
なのにナナはいつまでも俺に親父を
重ねやがって……俺は好きで瀬崎 朝陽の
子供に生まれたわけじゃねえし……!!」

司の恋人が
朝陽さんに未練があるのは
この間会った時に ビシビシと感じていた。

「クソ親父
ナナを……苦しめて……
あんな奴冷酷非道を隠して……
どんだけ口うまくナナをコントロールしてんだ!!」

司はそれから朝陽さんのことを
口汚く罵り始めた。
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