Kiss Kiss Kiss
「私はおとうさんの顔を知らなくて……
まさか 朝陽さんがおとうさん……じゃないですよね?」

まさかと思うが確認しておこう。

「うん 違うよ。」

今はまさに よかった……って
胸をなでおろす私がいる・・・・・。

「何度かは聞いたことあるんだけど
母がそのたび悲しい顔をするから……
聞くのやめたんです。」

「そうなんだ。」

「朝陽さんは知ってる?」

「知らないよ。」

「嘘?」

「こらこら次はからんできたぞ。
早く寝なさい……。」

私は 駄々っ子のように朝陽さんに甘える。

「朝陽さん……」

「ん?」

「朝陽さんに出会えてよかった……
母に感謝してます。あなたに会えなかったら
私はどうしてたんだろって想像するだけで
不安になります……。」

「安心しなさい。
ここからちゃんとお嫁に出すから・・・・。」

お嫁………

「いいえ 
ずっと朝陽さんに恩返しします。」

「ありがと。
さ 寝なさい……。」


髪の毛を優しく撫ぜてくれる。



好き朝陽さん

そう言葉が出そうになって
私は眠りに落ちた。
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