金曜日の彼女【完】
俺の心が渇いていくのを感じる―――…

今、俺の周りには誰もいない。



ユカ――…俺の前ではいつも大人の女を演じてたよな…。知ってたよ、ホントはそんな女じゃないこと。


美央――…俺の可愛い後輩。妹みたいに思ってた。一生懸命俺を慕ってくれてた。


純菜――…顔も知らないお前の彼氏に本当はいつも嫉妬してたんだよ。お前の一番はいつもその男だったよな。


麗美――…秘密をばらす……なんて言いながら一度もそれを誰かに言ったことはなかったな。


どんなにひどいことをされても、言ったとしても、俺から離れなかった。

女を信じられなくなっていた俺なのに―――



恋愛感情は、正直、なかった。

というより、俺はそういう感情を捨てたんだ。

悪魔のせいで俺は女を憎んだ。

世間の女をみんな不幸にしてやりたいくらい。



女なんてヤってしまえばおさらばだった。

一回ヤって捨てた女は数知れず。

そして俺は決してキスをしない。



そうだよ……俺は俺が最も嫌って憎んだ悪魔と同じことしてたんだ。


俺を捨てた悪魔と―――…


ユカ、美央、純菜、麗美


そして―――…



琴葉


ごめんな――――…

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