初恋
***
試合の笛が鳴ってから約20分を過ぎようとしていた。
俺たち2年は意外な事に1年に押されていた。
シュートの数は圧倒的に2年の方が上だけど、
枠に入っていないのが現実。
1年のパス回しについていけない奴がいて、
俺は焦りを感じる。
「もっと丁寧にパスしねぇと駄目だろ!?」
ピッチの外から裕大の声が聞こえる。
焦りを感じている俺は何とかしねぇと、
と思っているのに、
なかなか行動する事が出来なかった。
「声、小さくなってんぞ!!
もっと声出せ!!」
前半が終わるまでの間、
裕大はずっと俺たちにアドバイスをくれてたものの、
1対0という結果で終了した。
「悼矢、ドリンクとタオル!」
渡邊が急いで俺にドリンクとタオルを渡す。
「あ、悪ぃ・・・」
「渡邊、他の奴にも渡せ。
俺、悼矢と話があるから」
「う、うん・・・」
渡邊は、裕大にそう言われて他の奴らにも渡しに行く。
今日は・・・
渡邊のこと見て嫌な顔してねぇな・・・
ドリンクを飲みながら見ていたら、
上から水がかかってきた。
いきなりで俺は驚き、口に入っていたポカリをこぼしてしまった。
「吃驚すんじゃねぇか!」
俺に水を掛けたのは裕大だった。
裕大はあんまり宜しくない顔をしている。
「さっきの試合は何だよ?手ぇ抜いてたのか?」
「そんな事してねぇよ・・・!!」