とっておきの恋
□記憶
「お母さん、熱あるから学校休む」

体温計をうんと温めたら、ばっちり38度。

「あら、ほんと。大丈夫?」

「うん、2階で寝てるから」

「お母さん、仕事あるから出かけるけど平気?」

「もう子どもじゃないから。熱下がるまで寝てるから仕事行ってきて」



あたしはズル休みした。

昨日あんなことがあったんだもの。

安部くんの顔、まともに見れない。

それに…。

カオリンにだって会えない。



親友面してたんだもの、あたし。



最低だよ。
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