とっておきの恋
「…水。水飲みたい…」

そう思って、立ち上がったんだけど、足元がふらついて転んでしまった。

あ…。

体が熱い。


ズル休みのはずが、本当に熱出しちゃったんだ、あたし。



「罰があたったんだ」



あたしは冷たい床に座ったまま、体を丸めていっぱい泣いた。

まるで子どものときみたいに、恥ずかしいなんて思わないで、泣きたいだけ泣いた。



心の毒を出し切るかのように――。
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