深紅の瞳
芽衣は男の話を途中で切り、右腕からだらだらと流れる赤い血を見つけて問いかけた。


『これはもうすぐ止まるから大丈夫だよ。
それよりよかったら、一緒に食事にいかない?』


新手のナンパだろうか。

声をかけてしまった事を少し面倒に思った芽衣だが、右腕の血はどうしてもすぐ止まる流れ方には見えなかった。


「……家近くなので、まず手当てしましょう。
ご飯はその後で……」


その言葉を聞いた男は、ニッコリと綺麗な笑顔を作って


『ありがとう』


と呟いた。
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