流れる星を見つけたら
「出会いは突然」

「ええっ?」
頬に手を当て
嬉しそうな表情。

「自分にピッタリな王子様が現れます」

「いつですか?」

『今でしょう』って言ってやりたいが、それを言うと詐欺になる。

「今から2年以内」

「そんなに待てません」

「以内です。以内というのは明日かもしれないし1年11ヶ月後かもしれない」

「明日……」

「その代り、貴女もやらねばならない使命がある」

お姉さんの
夢見る顔が引き締まる。

「婚活サイトを退会し、髪の手入れをし、エステへ行き、明るめの化粧をします」

「……はい」

「人の悪口を言わず、仕事も率先し、笑顔を忘れず愚痴愚痴言わなければ完璧です」

誰でもそーだろが。

しかしながら
夢見るお姉さんは違います。

「わかりました」
入って来た時と顔つきが違ってる。

「どんな努力も惜しみません。王子様が早く現れるのなら」

最初から
努力してくれ。

「ツンデレ系の御曹司が、天然だけど努力する私に惚れて結婚するのですね」

王道ですね。
携帯小説の読みすぎです。

「私、頑張ります」

お姉さんは目を輝かせ
幸せ顔でブランド物の財布から3000円取り出し、テーブルに置いて頬を染めて帰って行った。



「まいどありー」

私は笑顔で

お金を金庫に入れる。


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