流れる星を見つけたら
帰り際
目の前を走る
ゴズロリ凜子さんを発見

「今日はね、衣装合わせの日なの」と言いながらレースの厚底靴で走って行った。

衣装合わせ?
具体的に進んでるな

いや
知り合ってどんだけ?
スピード婚じゃん!
大丈夫なのか?マー君。

ママが良いならいいのか。

「夜道に気を付けなさい」

姿は見えないけど
大きな声で言われてしまった。

どこ?
どこから叫んでる?
あぁエレベーターの下の方ね、焦った。

コートの襟を合わせ
私はひとり
バス代節約の為

ひたすら
夜道を歩き出す。

街を抜け
団地を抜け
徐々に薄暗く
淋しくなってゆく

塾帰りの小学生でもいないかなー、いや、いまどきの塾はもっと遅いのか。

ここら辺は
街灯も少ないし
薄暗いんだよな

もう少し歩くと
ご近所のマー君の豪邸が見えて来て、無駄に明るい照明が見えるのだけれども。

今日は誰もここら辺歩いてないのね
バスの時間帯もなかった?

ちょっと
怖くなってきたかも

稲川淳二でも出てきたらどうしよう。

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