流れる星を見つけたら
「嫌いとかじゃなくて」
怒られるとは思わなかったから、心の準備が無い。

「じゃぁ何?あんな事したから避けてる?」

あんな事

そうだね
そんな事されたんだよ私。

「それもあるけど……」
ごにょごにょと口ごもる

好きだから避けてる
なんて言えないよ。
彼女もいるし
今までの私の態度を考えると、鼻で笑われて終わるだろう。

「こっち見て」

しっかり彼の腕が私を捕えて離さない。

「……嫌だ」

見たくない。

「見て」

「嫌だよ」

「どうして泣くの?」

そう
私はまた泣いていた。

そんな私の様子を感じ
彼は『ごめん』と小さく言った。

だから私は
やっと顔を上げて彼を見ると

彼は悲しそうな顔で
「すぐ人を呼ぶから」
クルリと背中を向け
応援を呼ぶ為
きっと警察仲間と連絡を取っている。

ごく自然に
ごくごく普通に
彼はいつもの顔に戻り、遠くの路地を見つめる。

私は空を仰ぎ
流れ星を探す。

願いが叶うなら
この気まずい
全て終わった雰囲気を
元に戻して欲しいと……。

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