モノクロ
 

リアルに考えれば考えるほど、楽しくなってきた。

ひとりで悶々とデスクに向かって企画書を書くより、こうやって人と話したり具体的に考えたりする方が何倍も楽しい。

それもこれも、佐山さんのお陰だ。


「佐山さん、本当にありがとうございます」

「いや。これくらい構わない」

「今日も本当にすごく楽しかったです! ありがとうございました!」


ペコッと佐山さんに頭を下げる。

頭を上げると、佐山さんとバチっと目が合った。


「誰がこれで終わりと言った? 佐々木さん、まだ時間は大丈夫なんだろう?」

「大丈夫ですけど、まだどこかに行くんですか? 結構いい時間だし佐山さんお休みの日なのに、奥さんと娘ちゃんは大丈夫です?」

「理解してくれてるから大丈夫だよ」

「それならいいんですけど……」

「こっち」


出来た奥さんだなぁと思っていると、佐山さんが歩き出した。

次はどこに行くんだろう?と少しワクワクしながら、私は佐山さんの後を追った。

 
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