モノクロ
──おいしいものをたくさん食べてお腹も膨れてきた。
今日は梢ちゃんの機嫌がすごくいいようで、若菜さんの膝の上でご飯を食べながらもずっとおしゃべりをしていて、私たちはみんなそんな楽しそうな梢ちゃんのかわいい声を聞きながら、テーブルのご飯を平らげていった。
そんな中、先輩と若菜さんの大学時代の話も少しだけ聞くことができた。
二人は同じ学科、卒論の研究室も同じで、遊びにも行くほど仲が良かったらしい。
こんなところで思うのは不謹慎だけど……すごく仲がいいと伝わってくるような話に、もしかしたらふたりは学生の頃に付き合ってた可能性もあるんじゃないかな、なんて考えも一瞬よぎってしまった。
佐山さんもいるし、さすがに聞けなかったけど……。
話を聞けるのは嬉しかったけど、何でも言い合える二人の様子に、胸がきゅっと締め付けられた感じがした。
まったりな雰囲気が漂い始めた時、若菜さんが梢ちゃんにコソコソっと耳打ちをした。
梢ちゃんもママの真似をしてこしょこしょと若菜さんの耳元で何かをしゃべる。
その二人の姿がすごくかわいくて、つい見てしまっていた。
結婚して子供がいる友達もよく言ってるけど、やっぱり自分の子供ってすごくかわいくて大切で特別な存在なんだろうな……。
人の子供でさえこんなにかわいいと思うんだから、大変な痛さを乗り越えて産んだ子供は相当なはず。
しかも、愛する人との子供だもん。
私にそんな日が来るとは想像もできないけど、私もいつかは、って思ってしまうところは、やっぱり私も女なんだなって思う。
「あーちゃ!」
「!?」
「あ、やっぱり言えなかったかぁ~。梢、おしい!」
かわいい声にはっと顔を上げると、目の前に梢ちゃんが仁王立ちしていた。
その向こうにはくすくすと笑う若菜さんの姿。
え? 今、「あーちゃ」って言った? 一体、何のこと?