君色【完】
怒りの気持ちがこめられたような口調で、5組の前を通り過ぎていく安藤くん。
さりげなくもう1度廊下に顔を出して、安藤くんの背中を見つめる。
「...」
あー、やっぱりかっこいいなぁ。
あたしも今すぐ職員室に呼び出しされて、安藤くんと一緒に歩きたい...。
なんて、妄想みたいな願いを心の中で呟いた。
その瞬間───
『1年5組、立花(タチバナ)絵梨。職員室へ来てください』
「え!?」
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