こっち向いて、早瀬先生。

帰ろうかな…


カバンを持って立ち上がった
そのときだった。



「ひよこ、帰るの?」


先生がわたしに声をかけてきた。



「そうですけど…何か?」


冷たい声で返事を返すと

先生は苦笑しながら


「相変わらず冷たいなぁ~。お前はいつになったら俺に優しくなるんだよ」


と、言った。



「たぶん一生ないと思います」 
再び冷たく返事を返すわたし。


優しくしたいけど
できないんだから
しょうがないじゃん……


だって、すきだもん…
先生のこと。



「ひなたぁ、それじゃゆうちゃんがかわいそうだよ~」

わたしたちのやり取りをきいていた綾香は、ケラケラとかわいく笑った。




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