お粥を作って持って行くと、葵ちゃんが翔織の長い銀髪を一房、三つ編みに していた。

元気な時なら絶対やられないのに。

思わず笑った私を見て、翔織は すまなそうな顔を する。

「海崎、作って貰って悪いが、俺は 本当に食欲が――。」

「一口だけで良いから。」

そう言って翔織の横に座るけど、彼、ほんとに気怠そう。

……よしっ。

意を決してスプーンで お粥を掬い、ふーふーと冷まして翔織に向ける。

「はい、あーん。」

「ばっ……。」

見れば、熱で赤い翔織の顔が、益々 真っ赤に なっている。

「うわっ、何このイチャイチャ。リア充 死ね。」

「今時あーんで男が赤くなるとか……。」

「ほらほら、早く食わねェと、俺が食っちまうぞー。」

茶化す3人。

それでも動かない翔織の口に、無理矢理スプーンを充てる。

「ね、私、料理 下手じゃないから。不味くは無いよ?」

「…………。」

翔織は まだ顔を真っ赤に していたけど、黙って お粥を食べてくれた。

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