海崎。

こんな俺を ずっと待っていてくれて、有り難う。

忌み子と呼ばれ、蔑まれた、この銀髪と紅い瞳を、君は綺麗だと言ってくれた。

相応しくないと言った俺に、今の翔織が好きだと言ってくれた。

存在すら否定され、孤独だった俺を、君だけが真っ直ぐに見据えて、認めてくれた。

それが どれ程、嬉しかったか。

きっと誰にも解らない。

10年前、不器用に周りを護ろうとして、ぼろぼろだった俺の心を、君は護ってくれた。

優しさを忘れ掛けていた俺に、君は優しさを くれた。

小さな幸せを知る事が出来た。

今度は、俺が君に、幸せを与えるから。

一緒に生きよう、海崎――。

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