闇
結局、女子のバレーは、準決勝で敗退してしまった。
もう出番の無い私達は、男子のサッカーの決勝戦を応援しようと言う事に なり。
私は、舞ちゃんと葵ちゃんと一緒に、北グランドに向かっている。
「うち等のクラス、男子 強いんだねぇ。」
そう笑う葵ちゃんに、そうみたいだね、と頷く。
けれど私は、全然 違う事を考えていた。
――決勝迄、出なくて良いと言われている。
(椎名君、出るのかな……。)
何故 自分の胸が、こんなに高鳴っているのか。
私は まだ、解らなかった。