「相手は……。」

そう言って、曽根倉君は身を乗り出す。

同じような格好を する舞ちゃんと葵ちゃんに吊られて、私も前屈みに なる。

曽根倉君は、周りに聞こえないよう、囁いた。

「…………椎名、だろ?」

その言葉に。

私は思いっ切り、目を見開いたのだった。

< 48 / 189 >

この作品をシェア

pagetop