翔織は いつも、1限が始まる ぎりぎり迄 屋上に居る。

だから私は、1人で階段を降りていた。

その時。

「桜さん。」

ルーム長と、クラスの女子 数人が居た。

「……何ですか?」

「あんた、椎名君と付き合ってるの?」

唐突な質問に、びっくりして何も答えないでいると。

ルーム長は、一歩、私に歩み寄った。

その目に在るのは。

――嫉妬……?

「付き合ってないなら、椎名君の周り、ちょろちょろしないでくれる?椎名君は皆の王子様なんだからね!」

はぁ?

私は口を ぽかんと開けてしまう。

私は知らなかったけど、この時 既に、この高校には、翔織のファンクラブが結成されていたらしい。

女子と全く話さない椎名 翔織。

その彼に、彼女が居る。

もし それが事実なら、ファンクラブの存続が危ぶまれる。

何より、メンバーの士気に関わる。

だから、ファンクラブのリーダーであるルーム長が、直接 私に確かめに来たのだった。

< 94 / 189 >

この作品をシェア

pagetop