闇
翔織は いつも、1限が始まる ぎりぎり迄 屋上に居る。
だから私は、1人で階段を降りていた。
その時。
「桜さん。」
ルーム長と、クラスの女子 数人が居た。
「……何ですか?」
「あんた、椎名君と付き合ってるの?」
唐突な質問に、びっくりして何も答えないでいると。
ルーム長は、一歩、私に歩み寄った。
その目に在るのは。
――嫉妬……?
「付き合ってないなら、椎名君の周り、ちょろちょろしないでくれる?椎名君は皆の王子様なんだからね!」
はぁ?
私は口を ぽかんと開けてしまう。
私は知らなかったけど、この時 既に、この高校には、翔織のファンクラブが結成されていたらしい。
女子と全く話さない椎名 翔織。
その彼に、彼女が居る。
もし それが事実なら、ファンクラブの存続が危ぶまれる。
何より、メンバーの士気に関わる。
だから、ファンクラブのリーダーであるルーム長が、直接 私に確かめに来たのだった。