溺愛トレード
「今でもその手紙は大切にしてるよ……」と御曹司様は、ポニーの走り回る広大な庭園をみつめながら目を細めた。
なんで瀧澤さんは、こんなにもいい人なんだろう。
なんでこんなにいい人が、よりによってあの実乃璃の結婚相手なんだろう。
「瀧澤さん、そういえばあれ以来実乃璃から連絡とかありますか?」
「連絡はないよ」
桐谷さんがいそいそとお茶の準備をしてくれている。それ必要ですか? ってくらいのテーブルウェアをせっせっと並べては花をカップを慎重に置いた。
「豊様」
桐谷さんは瀧澤さんに深々と頭を下げる。
「乃亜、ティータイムだ。その後の定例会議で、この商品の紹介をしてもらうから」
「え? 私がですか?」