溺愛トレード
目覚めたのは大海原のど真ん中で、私は瀧澤さんが運転する小型のクルーザーに乗せられているらしい。
瀧澤さんは清々しいほどの笑顔で「今は手が離せないから、朝食は島についてからにしよう」と提案してきた。
朝食も何も、私はアパートの一室で徹平と裸で寝てたはずなのに……………
見覚えのないロングワンピースを着せられて、紐で編んだようなサンダルを履かされている。
これってもしかすると、誘拐じゃない?
揺れる船の上じゃ、立ち上がって瀧澤さんに抗議しに行くわけにもいかず、手探りで辺りを確認するけど、所持品はゼロ。
携帯も財布も部屋の鍵もない。
急に不安が襲ってきて、振り返ると船長は「もうすぐ着くよ」と爽やかスマイルで手を振っていた。