My Sweet DRAGON
「今日は芹奈サンのお誕生日ですし、イチゴのケーキ買わないと、ですねー」



「は?」



でも自動ドアをくぐると同時に龍樹の発した言葉にピシッと固まる身体。



「えー…と、ケーキ、好き、ですよね?」



「あっ、あぁ」



「ですよね!」



ケーキ…は、確かに好き、だけど。



おずおずと訊ねかけてくる龍樹に小さく頷くも、アタシの答えは決まってる。



「……いらね」



「へ?」



キョトンとする龍樹からプイッと顔を背けたアタシは、店内のデザートコーナーをチラリと見ると、クルッとUターンした。

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