幼なじみと一途な恋愛



コツンと、燈弥の肩に頭を乗せてみる。



いつもなら、すぐに離れろって言ってくるのに、今日は何も言ってこない。


黙々と気にする様子もなく、燈弥は雑誌を読んでいる。




それがなんだか嬉しくて。




「燈弥ー」

「……なに」

「好き」

「知ってる」



あっさりかわされちゃった……。



ホントに好きなんだよって、伝わってるのかな……。




私は横から燈弥に抱きついた。



「大好き」



ぎゅっと力を込めて抱きついた時。



グイッと引っ張られて、気づいたら燈弥の腕の中にいて、抱きしめられている状態だった。



え?え?
えぇえーーっ!!?




私は驚きのあまりに硬直したままで、胸がドクン、ドクンと激しく音を立てた。




「ああああの!燈弥さん!?」

「ははっ、なんでさん付けなんだよ?」




だって、だって!
抱きしめられるなんて初めてなんだもん!!



私があわあわしていると、燈弥は私の耳元で小さく囁いた。



「……まりあ、もう少しだけ待っててくれるか?」


「え……?」



待っててって……。

それは、どういう意味……?




「と、燈……弥?」


「返事は?」



何を待っていればいいのかは分からなかったけれど……。



燈弥が待っててって言ったから、待ってるよ。



「うん……ずっと待ってる」

「ん。サンキュ」



この日、燈弥との距離がすごく近づいた気がした。



< 118 / 255 >

この作品をシェア

pagetop