ミッション#メロンパンを争奪せよ!

「唯人…さっきのイッタイ…」

「んまー…これで石垣も簡単にはからかえないと思うから…な?」

「いや、な?って言われても…」


そんなこんなで歩いていると、学校に着いた。

「唯人」

「何」

「手…は、離すべきなのカナ?」

「…しらね」

そーいっときながら離さないんだから、しらね、じゃないでしょーに。

素直じゃないよね、なにげキザな部分あるよね、照れ屋だよね。


本当に自分がなぜこの人に惹かれたかがしっかりと分かる気がする。

ここに惹かれたとか、具体的には言えないけど…惹かれずにはいられないって感じ…。


まぁとにかく好き。

好き。

好きだー!



「紗緒ちゃん。」

「ハイッ!?」

名前を呼ばれ、慌ててその方向を向くと…。




「な、ナグサメ先輩…」

「おはよ。」

目の前の先輩は、ニコっ、て優しく笑った。


そそそそ、そうだ。

言わないと、先輩に。

「せ、せんp」

「津島先輩、俺たち付き合う事になったんで、紗緒に手ぇ出さないでくださいね?」

ニ、と軽く笑って、唯人が先輩に繋いでる手を見せつける。


「ふーん…生意気な後輩。」

「生意気上等ですよ。」

「へ~、強気だねェ♪じゃぁ…」


そこまで行った時、先輩の顔が私に近づき、さっきの感触が蘇る。


…頬にキス。



「ほえ!?」

「んな…今言ったばっかじゃないですか!」

「そーんな大事だったらちゃんと守れよ!」


そう言って先輩は去っていった。



…さっきのキスの直前に、聞こえた言葉。



『お幸せに』



先輩からの、唯一の祝福の言葉。



……嬉しくて涙が出そうだった。



でもここで泣くと唯人にいろいろ勘違いや誤解(意味同じ)されそうだからやめておく。





先輩、ありがとう


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