ミッション#メロンパンを争奪せよ!
「に、にぃ…じま…。」
微かな唯人君の声が聞こえた。

「唯人君…無理して喋らなくていいよ。」


「…おう。」

そこから少し。
静まりかえる空間に、唯人君の息切れだけが響いた。




「…いつから体調悪かったの?」

「…今朝、だるかったんだけど…。」

「じゃぁ、学校無理して来なくていいじゃん…。」

「…いや、メロンパン、やすやすとわたさねぇッつーの…。」


へへへ、と軽く笑う。
あ、笑顔可愛い。

…そんな場合じゃないでしょ!!!



「わ、私。ちょっと冷たい飲み物買ってくるね!ミネラルウォーターで平気?」

「ん…、い、いや。イイよ別に。」

「ううん、いいのいいの。ついで。」


「じゃぁ、…さんきゅ。」



私は財布を持って保健室を出た。



自販機に向かう最中…



ふわっ…

色素の薄いふわふわの髪の毛とすれ違った。


「…桜木さん……。」




向かっているのは間違いない。


あの方向は





…保健室………。




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