ミッション#メロンパンを争奪せよ!
「…ごめん、今日一人で帰りたくて。」


誰かと話したくなかった。
生きてる心地がしなかった。
間違った人生なんて嫌なんだ。
もう指摘されたくないんだ。


生きた心地がしなくていいの


「やだ。」

杏はそう言って、振り払おうとした私の腕をさらに強く掴む。


「あたし、迷惑かもだけど絶対紗緒と帰る。」

「腕痛い。」

「…帰れなくてもいいよ、喋りたい!」


杏の眼がそらせなかった…




なんてことはなくて

自己中かもしれないのはお互いさまだね



私今一人で帰りたいんです




腕痛い、と言ったことで

杏の手の力が緩む



の、スキに。



杏の腕を振り払い

私は走った。


「紗緒!」



あはは…
まるで本当のお人形だぁ…


友達の手振り払って
逃げちゃったぁ…

なのになんにも
感じませーん…




ねぇ そうなはずなのに


この眼からでる雫は一体なんだろうね?



なんでこんなに悲しいんだろうね?



アハハハ、アハハ…



その後も雫が止まらず
どんどん口角も下がって

やっとそれを涙だと認めて


立ち止って泣いて

杏につかまった
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