【B】(第一夜完結)Love around ※第二夜準備中

1.新生活 - 李玖 -





朝、ズシっと体に響く衝撃にうめき声と共に目が覚める。

うわっ……。

「もう……アンジュ」


眠たい体を布団の中に隠すように掛け布団を持ちあげて丸まった。


ニャー。

アンジュが鳴きながら布団の上によじ登って
掛け布団の中へゴソゴソ。


アンジュの長い毛が
モゾモゾと私の体に触れていく。


狸寝入りするにも限界か……。



布団の中での格闘に負けた私、
潔く掛け布団をめくって、
アンジュを抱きしめて体を起こした。



「おはよう、アンジュ」

「ひゃあ~」



ひゃあーってアンタ、
猫なんだから、猫らしくニャーって鳴きなさいよ。


枕元の携帯を引き寄せると時間は6時前。


6時半頃まで寝る予定だったのに。




「はいっ。
 アンジュご飯あげるから」




そう言うとアンジュをダイニングの方に連れて行って
引き戸を開けた棚の奥からタッパーを取り出して
アンジュのドライフードの朝ごはんを仕度する。

専用のお皿にスプーンですくっていれると、
嬉しそうにヒャ-っとないた後、
アンジュはご飯に夢中になった。



さて寝なおす時間はないけどボーっとするには勿体ない。


だったら朝風呂しかないかなー。

そのまま浴室に直行して、
寝起きに少し熱めのシャワーを浴びた。


もう少し意識が覚醒する。


脱衣所でバスタオルで濡れたからだを
ふき取った後は、洗顔タイム。


手のひらいっぱいに、
ネットを使って泡立てた石鹸の泡を
顔に塗っていくようにのせて、
柔らかく洗う。




洗い終わった後は、
ぬるめのお湯で優しく洗い流す。




その時に太陽をぬるま湯の中に
思い描いて顔にかけるのは
私のおまじない。


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