イケメン変人達に好かれると厄介です
ちょっと薄暗い道を、アラタさんと2人で手を繋いで歩く。

「……………」

アラタさんって、手大きいな……。

「ふぅ………」

アラタさんが、小さい溜め息をつく。

「どうしたんですか?」

「いや、ちょっと緊張してだな…」

「そうですか…」

「あっ!信じてないだろ!ほら、触ってみろ!」

アラタさんは、私の手を離して、その手をアラタさんの心臓の所に当てた。
突然の事に、私はビックリする。…男の人の体って堅いんだな…。…じゃなくて!

「ちょっ、ちょっと離して下さい……」

「ぼっ、僕の心臓が凄いドキドキ鳴ってるのが分かるだろ!」

「わっ、分かりましたから……」

確かに凄いドキドキ鳴ってる……。

「優は、僕といて、ドキドキするか?」

「たっ、偶にです…」

「…………?!するのか?!」

「ぃゃっ!…バカ過ぎて、ドキドキするというか……?!」

「失礼な奴だな!真由美は!」

「……………?」

「どうし……。……………」

真由美さん………?何で、真由美さんが?アラタさんは、自分の間違えに気付いて私の手を握ってた手の力が抜ける。私の手が、ゆっくり落ちた時、アラタさんは急に笑顔になった。

「すまん!間違った名前を呼んでしまった!」

「そうですか……」

何だろ?この感じは。多分、寂しい……。

「元、幼なじみだったんだ!僕とリン達と、真由美はな!詳しくは、また今度な!」

「聞くなんて一言も言ってませんけど……?」

聞きたいけど……。ちょっと気になる。『元、幼なじみ』って所が特に……。

「じゃあ、言わない」

「聞いてあげます。仕方ないので」

「素直じゃないな!お前は!」

「聞かせて下さい」

「……聞くときは、もう二度と僕達と会えなくなる時だ」

「えっ?何でですか?」

「優は、まだ知らなくて良い。ほら、早く帰るぞ!」

「あっ、はい……」

その後、私達は手を繋がないで私は、アラタさんに私の家まで送ってもらった。

「じゃあ、優!土曜日な!…時間等は、メールで送る!ゆっくり休めよ!お休み!」

まだ、7時だけど……。流石に、こんな早くには寝れないよな……。でも、ここは大人の対応で……?

「……お休みなさいです。送っていただき、ありがとうございます……」

「あぁ!じゃあな!」

「はい」

私は、アラタさんが見えなくなるまで家の中に入らないつもりだった。…だけど…。アラタさんは、私に近付いて頬にキスをして、帰って行った。

「じゃあな!」

「……………?!」

私は、恥ずかしくなって家に飛び込んだ。玄関に座り込み、キスされた頬に手を当てる。
びっ……ビックリした……。急に、キスしてきたんだもん……。

「顔が熱い……」

今日、お兄ちゃん仕事が忙しい日で良かった……。お兄ちゃんに、バレたら面倒くさい事に、なってたよね……。

「ビックリした……。本当に……」

私は、その場を立ち上がってお風呂に入った。お風呂から、あがっても頬の熱が下がる事は無かった。

お兄ちゃんが帰ってきたけど、疲れてたので。
お兄ちゃんの晩ご飯を作ってお兄ちゃんに出したら、私の初体験を奪われそうになったので。

死ぬ気でお兄ちゃんの鳩尾を思いっ切り殴って。お兄ちゃんが気を失ってる間に部屋の鍵を閉めて窓の鍵も閉めて、布団にくるまり寝た。
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