恋するplants
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お店を出て、本を買おうと駅ビルに向かった。
商店街を通り抜け、駅ビルのある通りに出ると、水道管の工事をしていた。
炎天下の中、背中に汗のシミを作りながら懸命に働いている人を眺めていた。
熱中症にならないといいけど・・・
「・・・きのこちゃん」
「きのこちゃん」
ぼぅとしてたら名前を呼ばれてみたいだ。
声のした方を振り向く。
にっこりと人懐っこそうに笑っている。
大きくあいた口から白い歯が見えている。
「桂さん」
檜の家からだとだいぶ離れた所で偶然にも会ったのでびっくりしていた。
どうして?と顔に出ていたんだろう。
「バイト、交通整理してんだ」
桂さんは棍棒を顔の前で掲げて帽子を被り直した。
長袖の紺色の制服が暑そうだと思った。
桂さんのこめかみから汗が流れ、落ちる。
汗を首に巻いたタオルで拭った。