恋するplants


 パーティーはほぼ完璧だった。


 暗めの照明で落ち着いた店内と新郎新婦の隣にはジャズバンドの生演奏。


 テラス席にはプールがあり、「Happy Wedding Koji & Tsubaki」と光の文字が水面に浮いている。


 グラスを片手にあの頃のクラスメイトと談笑する茉雪は楽しそうだった。


 僕はカウンターに寄りかかって、グラスの中のシャンパンを飲み干した。


 主役の2人も終始笑顔で幸せそうだ。


 茉雪を傷つけたことはすっかり忘れてしまっているみたいだ。


 茉雪も茉雪で2人の間に立って一緒に写真とか撮ったりしている。


 すごい辛い思いをしたんじゃないのか?


 確かに冬月先生と池見先生を比べると池見先生の方が魅力的な気がするけど・・・彼氏ができたことの余裕なのか?


 女の子は解らないな。


 「あ・・あの、さっきはごめんなさい」


 カウンターの上に並ぶ空の皿やグラスを下げながら、イチゴちゃんが呟いた。


 ジャズバンドの演奏で声が聞き取りずらい。


 両目を腫らしながら、イチゴちゃんはトレンチに皿を置く。


 イチゴちゃんはさっきトレンチのシャンパングラスを落としてしまった。


 パーティーが始まる前だったけど、グラスは割れ、僕はシャンパンを浴び、ちょっとした騒ぎになった。

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