君の隣で~☆星空☆続編~【完】
【先天性代謝異常等スクリーニング】


そう、生まれた赤チャンみんながする検査。



障害があるかないか、正常ではないか……



そう言う検査にひっかかり、再検査の通知が送られてきた



頭が真っ白で、紙を持った手だけが震えていた



出産の時、千夏はありえない色をしていた。




母子手帳に書かれた、出産時の異常の欄に残されている沢山の難しい言葉。



始めて、目を開いた時の赤い赤い千夏の目……



それでも、元気でいてくれる事にそんな不安さえ失いつつあった毎日の中で、




あたしは、全ての力が抜けていった。



泣けない……


泣く事さえも忘れ、あたしは千夏の傍に座りこんだ。



まだ、消えていない千夏の赤い目……


再検査の用紙。




“何があっても、この子を守る”




そう思ってきたはずだったのに、実際に突きつけられた現実に戸惑い、あたしは心の中にそーっとしまい込んだ。




生きてる事……


生かされたこと……。




それが幸せだったのであろうか――?




千夏が出来た事で、失わずに済んだあたしの命。



愛を残して、翼の元へ行く事なんて出来なかったかもしれないけど……



それでも、もう。



その時のあたしには自分の命が守られた事が



幸せだったのか、不幸だったのかさえ分からなかったんだ






愛の笑顔………


それに救われ、何度も何度も背中を押された。



千夏の叫んでたものが、あたし達を繋げてくれた。




これから先……



あたしはこの子達を幸せにしてあげられるのか……。




たった1枚の白い紙に書かれた文字で、あたしはまた闇の世界へと足を踏み入れた―――

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