君の隣で~☆星空☆続編~【完】
「つばさぁぁぁぁ!!!!」




ずっと、ずっと抱えていた物……


笑っていればいい。



そうずっと、そう思って生きてきた。




涙を流した時には、翼に誤り、いつでもどんなに苦しくても、笑い続けていた。




いつからか、器用に笑ってる自分が簡単に出来上がっていた



そんなあたしの笑顔の中にある、汚れたあたしを、




誰も見抜く事はしなかった




でも、やっぱりそんな嘘の姿を翼は簡単に見抜いていたんだね




“辛い時には辛いって泣き叫べばいい”



そんな翼の言葉が、あたしの心の中を裂いたんだ




こんなにも、こんなにも涙が溢れだすなんて



こんなに、溜まっていた物があったなんて



あたしは、翼からの手紙を握り締め、翼の居る海で泣き続けた








「ホント……翼のばか……」




おもいっきり、泣いた後



あたしは翼も見ている星空を見上げた





「辛かった……苦しくて、悲しくて。本当は流奈だって、思いっきり泣きたかったよ。思いっきり笑いたかった……」




いつからか、封印し続けた心……




いつも、いつも闇の中から這い上がれず、



それでも這い上がろうとする自分もいなかった。





そう――――


あたしはずっと立ち止まっていたんだ。



1人では歩いて行っちゃいけない気がしてたから――




「逢いたいね、翼に逢いたい……」



無理な願いを、


昔、ここで翼と未来を誓った場所で呟いた




「ごめんね……流奈だけじゃないんだよね、辛いのは翼も同じだったんだよね」




あたしは、涙でグチャグチャになった顔をタオルで拭い、



静かに、海の方へ足を運んだ







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