君の隣で~☆星空☆続編~【完】
あたしが薬物から足を洗ったのも自分の意志なんかじゃなかった。



地元は薬物厳禁。



薬物やってた奴がいたら



男、女変わらず容赦なしに金属バットで殴られていた。



それで何人も病院送りになっていたのを見ていた1人があたしだ。



でも、この時のあたしは
恐いものなんてなかったから…。


ばれたって関係ないって思ってた。





でも、そんなに甘くないのがあたしの踏み入れてしまった世界。



あたしは薬物の恐ろしさなど分かっていなかった。



どんどん蝕んでく心、体を……




もう、手に負えないところまできていた。




「……うっ!!」



薬でいっちゃってたハズなのに、とてつもない痛みが体中に走っる……。



「ゲホッ!!………」




口から出る大量の血。



体がふわふわしてたのと同時に半端じゃない痛みが走り、夜中の路地裏で壊れたあたしの笑いと悲鳴が響き渡っていた。




チクリを入れたのは理恵……



これでも、先輩達は手加減してくれていたんだろう。


顔は誰だか分からない位に腫れ上がり、



どこから血が溢れているのか分からない状態だったけど、


体は弱ってた肋骨が再び折れただけだった。




そしてあたしは、


その後、先輩達に拉致られて監禁された。



あたしを更正させる為に。




先輩の家で、手足を縛られ薬が抜けて暴れるあたしを、みんなが辛そうな顔して見てみぬフリをしてた……




「はなせぇ―――!!」




辛かった……

苦しくて……


翼を失ってから失くなった感情がまた動き始めてた


悲しくも薬のせいで……

薬欲しさの為だけに……



動き出した感情だった。



先輩や理恵がこの時あたしを、こんな形で止めてくれなかったら……




きっと今のあたしは



この世にいなかっただろう。
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