囚われた、あなたの腕の下。
** **

「え?」

「見間違いなら……いいの。でも、見たの」

「そう……」

これで、ちょうど10回目。

彼の、浮気の話し。

「昨日、千藤さん……連絡とれた?」

とれなかったよ。

浮気してるって教えてくれる日は、必ず彼は連絡 がとれない。

そして、次の日の朝に連絡が来る。

『連絡くれたよね?気付かなくてごめんね』

このメールに、あたしは何度も枕を濡らした。

週に2、3回。

必ずくる。

だけど、その曜日は決まっていなくて、証拠なん て掴めなかった。

でも、あたしは見たんだ。 あたしが……知らない所に。 痕がある事。

彼は、気付いていなかったのか……。
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