『武士ドルの秘め事~無双の月』


 その瞬間…ものすごい勢いで足首を掴まれ私は引きずられそしてそのまま仰向けにされた後…水を顔にぶっかけられては頬を叩かれた感触と私を呼ぶ声に起こされて目を覚ますとそこには――――――。



 空にたくさんの『毘沙門天』の御旗が空に靡いている中‥たくさんの鎧兜で身をすくめた男達が私を囲み見下ろしていた。





 「――御館様―――!!」





 声の限りに叫ばれて私は思わず身を起こした身体に違和感を覚えた。



 1人で起き上がる事が出来ない程の半端ない重さに私は苦戦する……。



 するとその様子を見た男達は私の体を支えて身を起こしてくれた。




 「ああ…。

 大丈夫………。」



 なんとか身を起こして身体中を確認した私はふと自分の身体を触り何度も目を見張った―――私の目に飛び込んできたものは‥パジャマの上に戦国武将の鎧が装着されていたのだ……。




 私は思わず‥‥‥‥。




 「何っ!!!

 これっ――――!!」




 大空高くに靡く『毘沙門天』の御旗に向かって叫んだのは言うまでもなかった‥‥‥‥‥‥‥‥。



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